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ビジネスに活かす
メンタルトレーニング

本稿は自動車雑誌連載記事です。

第22回 ストレス・セルフチェック法

 前回ご紹介した「ザリヤートカ」(ロシア式朝の充電トレーニング)の代わりに、私が選手たちに指導していた朝の心身調整法は、たった1分でできるストレス・セルフチェック法から始まります。
 これは私の共同研究者である脇元幸一先生(清泉クリニック理事長、静岡県三島市)が考案したものです。脇元先生と共同してスポーツ選手をサポートするようになってから、もう20年になります。シドニーオリンピックでも、先生が身体のコーチ、そして私が心のコーチとしてチームに帯同しました。

 よくナショナルチームの合宿などに2人で呼ばれるのですが、朝の挨拶が終わるとすぐに、脇元先生は選手たちの首の後ろと背中、そして腰の後ろを軽く触ります。時間にして10秒にも満たないのですが、たったそれだけのタッチでその日の選手の体調を言い当ててしまうのです。
 たとえばA選手は、首、背中、腰にまったく張りがなかったとしましょう。すると先生はその選手のコーチに、「とても良い状態に回復していますから、今日はガンガンやってもだいじょうぶですよ」と言うのです。ところが、B選手に触ってどこかに張りを感じると、「コーチ、ちょっと状態が良くないですよ。今日はいつもより抑えめにしておかないと、きっと怪我をしますよ」などと言います。

 「どうしてそんなことがわかるのか」という私の問いに、先生からは「精神的なものでも肉体的なものでも、いわゆるストレス反応というのは、頚椎、胸椎、腰椎の3カ所に“張り”や“しこり”となって出てくるのです。ですからそこをちょっと触ってやれば、その選手のコンディションはすぐに分かるんですよ」と答えが返ってきました。
 脇元先生自身がいつもチェックしてくれればよいのですが、そんなことはナショナルチームといえどもできるはずがありません。すぐにコーチたちから、選手自身がチェックできるようにしてほしいという声があがりました。それで出来上がったのが、図の3つのセルフチェック法です。
 みなさんもこれを朝一番に、また寝る前などに行うようにしてみてください。たった1分で、日々の体調の変化が簡単に分かるようになるはずです。

<ストレス・セルフチェック法>
[評価1]大腿後面の筋の張り
 両足をそろえて立ち、ヒザを曲げないように上体を前屈させながら、大腿後面の筋(ハムストリングス)の張りの具合をみます。突っ張り始めたところで止め、指から床までの距離を目測で確認します。

[評価2]肩の筋の張り
 片方の腕を体の前方で水平の位置まで上げて、ヒジを他方の手のひら(前腕)にのせて力を抜きます。そのまま静かに胸に近づけ、肩周辺の張りの具合をみます。

[評価3]首の筋の張り
 首をゆっくりと後ろへ倒し、首後面の付け根の張りを感じる角度を、首の倒れ具合で確認します。

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