コラム
COLUMN in a monthly

ビジネスに活かす
メンタルトレーニング

本稿は自動車雑誌連載記事です。

第24回 イメージトレーニング
    (視覚化のテクニック1)

 イメージトレーニングの利点は、グラウンドや練習場に限らず、いつでもどこでも頭のなかで練習ができるということです。生き生きとした運動イメージを頭に描くことで技術の習得や修正を効率化できることは、すでに多くの研究によって証明されています。
 ただし、このときの運動イメージというのは、単なるフォーム(形)のイメージだけでは十分ではありません。そこにはリズムや流れといったものすべてを伴っている必要があります。優れた選手たちは大抵、こうしたイメージ能力にも秀でています。彼らは頭のなかで、自分の動きの映像をまるでビデオを見ているかのように、ノーマルスピードやスローモーションで再現したり、静止させたりすることができるばかりでなく、そのときの音やフィーリングまで、すべて思い描くことができるのです。
 では実際に、イメージトレーニングをやってみましょう。まず「肉体のリラックス」です。

1. IRT(インスタント・リラクゼーション・テクニック)
 床に仰向けで横になるか、椅子に腰かけます。静かに目を閉じてから、足、ふくらはぎ、太もも、お尻、背中、胸、肩、上腕、前腕、首、最後に顔面という順番で力を入れ、筋肉を緊張させていきます。足から顔面までの筋肉を緊張させるのには、せいぜい10秒から15秒もあれば十分です。全身がブルブル震えるほどの最大緊張に達したら、さらに5秒ほどその状態を保ってから、一気にリラックスします。
 最大緊張から最大弛緩へというのが、このIRTの狙いです。完全に筋肉が弛緩した感覚をしばらく味わったら、再び順番に力を入れていき、また緩めるという練習を2、3回行います。
 かなりの緊張状態にある人も、これで容易にリラックス状態を取り戻すことができるので、試合直前のメンタルウォームアップに使っている選手もたくさんいます。

2. 呼吸法(鎮静呼吸法)
 IRTを3回ほど行った後、さらに呼吸法を使って、より深いリラックス状態へと導入しましょう。
 心を落ち着かせる呼吸法を行うのです。これは、吸うのが1、吐くのが2の割合で行う呼吸。つまり、5秒吸ったら10秒吐く、10秒吸ったら20秒吐くといった具合です。この呼吸を3分ほど続けると、さらにリラックスが深まっていきます。

3. イメージトレーニング
 こうして準備が整ったら、いよいよイメージそのものをコントロールする基礎的な練習に入っていくことにします。次に説明する4つのイメージトレーニングは、どれも1回につき各2~3分行えば良いものです。
 次に説明する4つのイメージトレーニングは、どれも1回につき各2~3分行えば良いものです。
 ただし、何度も反復練習することで、少しずつイメージの鮮明度を高めていくようにしてください。

(1)具体物のイメージ化
 まずボールをイメージしてみましょう。実際にボールを目の前に置いて、しばらく見つめてから静かに目を閉じ、イメージします。
 その際、注意しなければならないのは、ただ何となくボールの形だけを頭の中で想い描くのではなく、ボールの質感、光沢、手触り、重さなどをできるだけ鮮明にイメージするようにしてください。
(2)イメージ拡大・縮小法
 (1)でイメージしたボールを、まず拡大していきます。ゴルフのボールをバスケットボールの大きさに、続いて気球の大きさに、といった具合に、どんどん拡大していくのです。1分ほど拡大し続けたら、今度はその大きくなったボールを徐々に小さくする練習を行います。心の中で小さくできるぎりぎりまで、ボールを縮小してみてください。慣れてきたら、できるだけスムーズにボールの拡大・縮小を繰り返せるように練習します。
(3)イメージ移動法
 今度は、イメージでボールを目の前から遠ざけたり近づけたり、あるいは左右に移動する練習をします。慣れてきたら、移動スピードに変化をつけたり、ボールの数を増やしたりしてみてください。結構楽しくイメージトレーニングができると思います。

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